現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で二度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦

ここから本文です

チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で二度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦

掲載
チェイス・エリオット、42戦ぶり待望の復活勝利で二度のオーバータイム決着を制す/NASCAR第9戦

 合計13名のドライバーによる23回のリードチェンジと、うち7名がフタ桁のリードラップを記録するドラマと波乱に満ちた2024年NASCARカップシリーズ第9戦『オートトレーダー・エコパーク・オートモーティブ400』は、終盤に於ける再三のリスタートにも動じず、好調デニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)やロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)らの挑戦を退けたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、待望の復活勝利をマーク。実に2022年シーズン以来42戦目にして待望の今季初優勝を飾った。

 テキサス・モータースピードウェイが誇る1.5マイル“ハイバンク”での週末は、幕開けからやはりシーズン序盤を席巻した実力者たちが牽引する展開に。予選ではカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)を0.003秒差で撃破し、驚異的な3戦連続のポールウイナーに輝いた。

佐藤琢磨がインディ500テストに参加も、雨天中止で消化不良に「チェックだけで終わってしまった」

 これで名門ヘンドリックのチームにとっては通算250回目、今季はインディ500への挑戦を控えるラーソンにとってカップ通算25回目の最前列発進となった決勝は、序盤こそ静かな展開で同日最多77周をリードしたポールシッターがステージ1を制していく。

 しかし続くステージ2ではトヨタ陣営がジリジリと優勝戦線に絡み始め、ハムリンを含めクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)、タイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)、さらにマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)らが代わる代わる隊列を率いることとなる。

 だが異なる戦略とピットロードで発生した数多くのトラブルがレース後半の展開に影響を及ぼし、ベルのクラッシュを皮切りに今季のチャンピオンシップをリードするトゥルーエクスJr.も、ホイールの緩みを修正するべく最後のピットストップサイクルで2度の作業を余儀なくされることに。また、残り60周でレディックはレース最大となる6秒強のリードを築いたにも関わらず、左リヤタイヤの作業が遅れて追い上げを強いられる展開となる。

 そして、このレースを通じて序盤からもっとも支配的なドライバーだったラーソンも、作業で右リヤタイヤが脱落して2周のペナルティを科され、残る周回の大半で挽回を強いられる展開となり、リードラップに戻った残り8周の時点で姿勢を乱しウォールにヒット。無念の21位に沈んでしまう。

■エリオットへの“挑戦者”が立て続けに散る
 そんな混沌のなか、都合16回とコーション多発の終盤戦で主導権を握ったのが僚友エリオットで、残り33周のリスタートで先頭レディックとハムリンの2台を“ボトムショット”で仕留め首位へと躍り出る。

 そこへ今季2勝の好調ハムリンに、ステージ2覇者チャスティンが挑んだファイナルステージは、ラーソンを起因とした残り2周のリスタートで9号車エリオット、11号車ハムリンがサイド・バイ・サイドの攻防を展開。しかしサイドドラフトのなかコントロールを失った2番手ハムリンは無念のクラッシュを喫し、勝負はオーバータイムの最終局面に突入していく。

 ここでエリオットの隣に並んだ1号車チャスティンだったが、ホワイトフラッグ突入で背後のウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)に“タグ付け”されたチャスティンは、堪え切れずアウトサイドのウォールへ一直線。そのままアンダーイエロー・フィニッシュとなり、この日33周をリードしたチャステインは32位、同37周をリードしたハムリンは30位に終わる結末に。結果、挑戦者2名が立て続けに散ったエリオットが2022年10月のタラデガ以来となる復活の通算19勝目を飾った。

「本当にクレイジーだった。そして僕らのチームをこれ以上誇りに思うことはできないね」と、ヴィクトリーラップではかつて有名レストランチェーン『フーターズ』のスポンサーカラーで戦った名チャンピオン、アラン・デニス・クルウィッキに笑顔で敬意を表したエリオット。

「ああ、これ以上いい気分はないよ。この旅とこの事実には、これ以上感謝してもし切れない。いつでも楽しかったわけではないけれど、仲間たちと仕事をするのは確かに楽しい。僕らは一生懸命、そして本当にうまく一緒に働いてきた。いつだって笑い合って戦って来たんだ!」

 併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第7戦『スピードキャッシュ・ドットコム250』は、カイル・ブッシュ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)がコーリー・ハイム(トリコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRDプロ)の挑戦をわずか0.112秒差で退け、同地最多記録タイとなる6回目の勝利を獲得する結果に。

 同じく土曜夜のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第8戦『アンディーズ・フローズン・カスタード300』は、サム・メイヤー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が大ベテランであるライアン・シーグ(RSSレーシング/フォード・マスタング)のラストラップパスを成功させ、こちらもわずか0.002秒差での今季初優勝を飾っている。

こんな記事も読まれています

110戦連続未勝利に終止符。ケセロウスキー代表が新型マスタングとともに今季初優勝/NASCAR第13戦
110戦連続未勝利に終止符。ケセロウスキー代表が新型マスタングとともに今季初優勝/NASCAR第13戦
AUTOSPORT web
ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝
ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝
AUTOSPORT web
豪州からの刺客が続々。キャメロン・ウォーターズにRSC首位ウィル・ブラウンがNASCARカップ参戦へ
豪州からの刺客が続々。キャメロン・ウォーターズにRSC首位ウィル・ブラウンがNASCARカップ参戦へ
AUTOSPORT web
【第108回インディ500プレビュー】有力はチップ・ガナッシのふたり。牙を削がれた昨年覇者と、琢磨勝利のカギ
【第108回インディ500プレビュー】有力はチップ・ガナッシのふたり。牙を削がれた昨年覇者と、琢磨勝利のカギ
AUTOSPORT web
962C以来35年ぶり/バック駐車はダメ/最多観客数を更新etc.【WECスパ決勝後Topics】
962C以来35年ぶり/バック駐車はダメ/最多観客数を更新etc.【WECスパ決勝後Topics】
AUTOSPORT web
2度の“もらい事故”でBMW両車リタイア。母国レースでの悲劇に「飲み込み難い」とWRTのボッセ代表
2度の“もらい事故”でBMW両車リタイア。母国レースでの悲劇に「飲み込み難い」とWRTのボッセ代表
AUTOSPORT web
オー・ルージュでトヨタらを続々オーバーテイクのルーキー「完璧なレース。赤旗がチャンスを奪っただけ」プロトン大躍進
オー・ルージュでトヨタらを続々オーバーテイクのルーキー「完璧なレース。赤旗がチャンスを奪っただけ」プロトン大躍進
AUTOSPORT web
インディ500ファストフライデイ/予選想定首位はニューガーデン。トップ5を占めたシボレー勢が本領発揮か
インディ500ファストフライデイ/予選想定首位はニューガーデン。トップ5を占めたシボレー勢が本領発揮か
AUTOSPORT web
ロータス72でモナコ・ヒストリックGPに参戦した久保田克昭が2度目の栄冠。ニューウェイが同グループ4位
ロータス72でモナコ・ヒストリックGPに参戦した久保田克昭が2度目の栄冠。ニューウェイが同グループ4位
AUTOSPORT web
琢磨がインディ500予選で魅せた。すべてを出し切る鬼神の走りで上位進出「もうホントにギリギリ」
琢磨がインディ500予選で魅せた。すべてを出し切る鬼神の走りで上位進出「もうホントにギリギリ」
AUTOSPORT web
ファイナルラップの大逆転劇。ウイリアムズ育成コラピントが初優勝果たす/FIA F2第4戦レース1
ファイナルラップの大逆転劇。ウイリアムズ育成コラピントが初優勝果たす/FIA F2第4戦レース1
AUTOSPORT web
覚醒のターキントンがポールから連勝。王者サットンも3戦連続表彰台を継続/BTCC第2戦
覚醒のターキントンがポールから連勝。王者サットンも3戦連続表彰台を継続/BTCC第2戦
AUTOSPORT web
佐藤琢磨、15回目のインディ500は雨に翻弄。「40%くらいしか走れていない」なか予選上位目指す
佐藤琢磨、15回目のインディ500は雨に翻弄。「40%くらいしか走れていない」なか予選上位目指す
AUTOSPORT web
インディ500ルーキーと2022年王者エリクソンがクラッシュ。三日目首位はオワード、琢磨23番手
インディ500ルーキーと2022年王者エリクソンがクラッシュ。三日目首位はオワード、琢磨23番手
AUTOSPORT web
インディ500予選1日目/パワーがトップ通過、ペンスキー1-2-3。琢磨は9番手でトップ12へ
インディ500予選1日目/パワーがトップ通過、ペンスキー1-2-3。琢磨は9番手でトップ12へ
AUTOSPORT web
2024年KYOJO CUP開幕戦は最終ラップまで一進一退の攻防。翁長実希が逆転優勝を飾る
2024年KYOJO CUP開幕戦は最終ラップまで一進一退の攻防。翁長実希が逆転優勝を飾る
AUTOSPORT web
第108回インディ500のエントリーリスト発表。ウイナー8人、チャンピオン5人を含む34人が名を連ねる
第108回インディ500のエントリーリスト発表。ウイナー8人、チャンピオン5人を含む34人が名を連ねる
AUTOSPORT web
インディ500初日は23分で降雨終了も佐藤琢磨は大きな収穫を得る「想定していた数字が予想通りに確認できた」
インディ500初日は23分で降雨終了も佐藤琢磨は大きな収穫を得る「想定していた数字が予想通りに確認できた」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村